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金屏風について

 

当店では、一級技能士認定を受けた表具師が作成する金屏風 4種類各サイズを取り扱っており、骨格となる内部素材(木製格子or特殊ボード)と表面素材の組み合わせにより、

鳳凰(ほうおう)/花鳥(かちょう)/瑞雲(ずいうん)/飛鳥(あすか)

の4シリーズをご用意しております。

木製の長所は頑丈で張替え修理が可能であり、長年にわたる使用が可能であること。 障子の木枠のようなものですので、表面が破損しても障子のように張り替えることができ、見た目にも高級感・重厚感が違います。

特殊ボードの長所は、なんといってもリーズナブルで取り回しが非常に楽な軽量であること。  軽量発泡素材の板の上に金紙を貼付し、軽量ながらも丈夫なアルミ枠で取り回しのよさに特化しています。  設備消耗品として価格を抑えてありますが、その分、張替え修理はできないという欠点があります。
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ご使用環境や頻度によって、最適なシリーズをお選びください。

※ドーサ引き加工や修理・修復も承っております。まずはお気軽にお問い合わせ下さいませ。

【 金屏風の豆知識 】

●数え方について
本来、屏風は向かい合わせに立てて一組、として使用するものであったため、 屏風ふたつ分で【一双(いっそう)】と呼び、 屏風ひとつ分、と言いたいときには【半双(はんそう)】と数えます。

※ややこしいですが、例えば絵屏風など元々ひとつの屏風しかなく、単独で使うものなのであれば   それを【一隻(いっせき)】と呼びます。

基本的に屏風は偶数の面によって構成され、2枚で出来たものは「2曲(にきょく)」4枚では「4曲(よんきょく)」 6枚であれば「6曲(ろっきょく)」といいます。

それに5尺、6尺などの高さの単位がついて

「6尺6曲一双(ろくしゃくろっきょくいっそう)」=高さ6尺の6面で構成された屏風がふたつ

「6尺6曲半双(ろくしゃくろっきょくはんそう)」高さ6尺の6面で構成された屏風がひとつ

という風に呼ぶのです。

現代ではスペースの問題などから半双で置かれる場合も多くなっています。

●面の数について

6枚の面で構成される6曲屏風を一双で使用するのが、平安時代よりの基本形であり伝統的な形です。

2曲は合戦の際の陣幕屏風として用いられ、現代でも人形や活花、工芸品展示の背景として、 また、室内間仕切りとしてもよく目にします。

4枚の面で構成される4曲屏風ですが、江戸の武家社会において死や切腹時に使う切腹屏風を 連想させるとして絵等が描かれていないものは忌避されていました。  語呂合わせや験担ぎの概念が昔ほど強くない現代では、6曲ほど大き過ぎず2曲ほどちいさすぎず  という使い勝手の良さから、次第に使用されるようになってきています。

●使用場所で選ぶ適正サイズ

・ 高さ 6尺… 室内間仕切、句会や落語や寄席の高座など座席である場合    ・ 高さ 7尺… 結婚式場やホテルの宴会場、学校や御寺院など。また立っての撮影などに

・ 高さ 8尺… 大ホールや吹き抜けの場所など、天井が高い会場に

※現在、最もお求めが多いのは7尺6曲の屏風です。

彩色

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左余間
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御代前
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左余間アップ
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左余間ドアップ

久しぶりに更新します。10月は法要が続きましたので、それに仕事を間にあわせるたのにてんてこ舞いでしたが、ようやく落ち着いてきましたので、納入例をアップします。

まず、10月に親鸞聖人750回御遠忌法要を勤修された岐阜永法寺に蓮水の彩色をお納めしました。

今回は下地のベニア板の大工工事も依頼を受けましたが、当社の専門外なので、何度か同じ現場で一緒になった宮大工さんにお願いしました。

2012年4月に開山厨子などの仏具を撤去し、下地の工事がはじまりました。

下地の工事は順調よく進むかと思われましたが、途中大工さんのケガなどもあり、遅れるかとヒヤヒヤしましたが、無事7月末にすべての大工工事が終りました。

それまでに、壁面の工事が完成した時点でもう一度現場の採寸をしました。8月に入り、表具に入りました。

表具は下貼りの工事が約3日、金紙の工事が約3日総延べ一週間ほどかかりました。

表具ができあがるとまず回りの四分一という細い黒の棒を打っていきます。

そして、金紙と金紙のつなぎめの絵直しを一日かけて修整いたしました。

私ももちろんのことご住職にも確認して完了です。しかしながら、これで終わりではありません。

仏具を元の状態に戻さなければなりません。金紙にもしものことがああってはいけないので、仏具を下ろす時以上の細心の注意を払って設置いたしました。8月の末の納期に間にあってホットしています。

ご住職に「きれいになって本堂が明るくなった」というお言葉をいただいた時は、感無量でした。

■下記に修整前と修整後の写真をアップしています。

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修整前

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修整後

寺院見学会

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今日は私の趣味の話しを少し。数年前から個人的に寺院、特に奈良の寺々を回るのを楽しみにしています。

しかしながら、自分の知識だけではいまいちなので、知人のすすめで、学芸出版社の寺院見学会に昨年より参加しています。

講師の妻木先生は非常に詳しいだけではなく、当時の修復現場の状況やいにしえのことをよくご存知です。それもユーモアを交えてお話しされるので、非常にフレンドリーな雰囲気で楽しく、私も時間の許す限り行くのを楽しみにしています。先週の18日は東大寺、興福寺をめぐる見学会でした。

いくつも楽しいお話があったのですが、特に印象が残ったのは上の写真の東大寺三月堂です。ここには不空絹索観音様と運慶作の日光・月光菩薩が安置されているのですが、(現在は修復中のため入れません)向かって左が仏像を安置する正堂で、右は拝むための礼堂ですが、これは元々別々の建物であったものをくっつけたものだそうです。そして、創建時代も正堂は奈良天平時代、礼堂は鎌倉時代で、組物もよくみると、違いがあることを教えてくださいました。

一見見落としそうなことも詳しく解説してくださるのが、素人の私にとってホント参考になります。

それにしても奈良のお寺様の見学はいいですねぇ。私的には京都の寺院は洗練されていて、お庭がきれいでという雰囲気が女性好みという気がします。それに比べて奈良のお寺様はゴツゴツして荒削りですが豪快な感じがします。

現在、興福寺も中金堂が建設中で、新しい太い柱とか見ると、俗にいう‘萌え~’となって身体がゾクゾクきます。

また5月にあるようなので、できれば参加したいと思っています。

中啓

 

今回は僧侶がもたれる中啓について、ご紹介します。中啓とはお寺様が葬儀や法要の時に、七条袈裟や五条袈裟をお召しになる時に数珠とともにお持ちになります。

今回18商品の中啓をアップをしましたが、全部を載せられないので、注目の中啓をご紹介します。

まずは親鸞聖人750回大遠忌法要を記念して作られた中啓2点です。1点目は金銀箔を使用したもの。

金銀紙を使用したものがあります。

写真では見分けがつきにくいですが、扇を開いた外側の部分が青くなっている部分が、金銀箔仕様、扇面と同じ金色の場合は金銀紙仕様です。

次に西本願寺御影堂修復記念の中啓です。扇面には御影堂のかえる股をモチーフにした模様が入っています。

そして最後に黒骨の中啓です。こちらは親鸞聖人誕生800年を記念して作られた中啓です。

通常、中啓は赤骨が多いのですが、黒骨は葬儀や年忌などの時に‘喪’の気持ちを表すのに用いられるようです。

それゆえ、親鸞聖人誕生800年を記念から40年ほどたっているのにかかわらず、いまだに人気があるようです。

御遠忌をされる際の法中様の記念品としても最適ですね。

ご動座法要 -東本願寺

東本願寺は御正当報恩講が終った次の日の11月29日に阿弥陀堂修復のため、ご本尊の阿弥陀如来像を御影堂にうつされました。

これをご動座法要といいます。今まで一般寺院で、動かされるときには白布に包んでご住職が運ばれたり、お輿(こし)にのせたて移動したりとかしていましたので、今回どのような方法で移動されるか注目でした。

そして法要がはじまりいよいよご本尊のご動座です。阿弥陀堂の堂内放送では唐櫃(からびつ)にお入れしますと案内されていたので、どんな箱かなと思いましたが、木箱で八つ藤入りの金襴布が掛けられているので、わかりにくいですが、よく見ると四本足が出ています。箱の上には逆U字型の金具があり、そこにかつぎ棒が差し込まれて前後お二人の方によって運ばれて行きます。

長持に足があるような感じでしょうか。後日、写真を改めて見ると、持ち手のお一人の方はお得意先のご住職様です。先頭は雅楽の方々でその音楽にあわせて、ゆっくりと運ばれていきます。

そして、御影堂に入堂です。仕事があるので、ここで失礼させていただきましたが、阿弥陀堂の修復が終るのが2015年頃だそうです。その頃阿弥陀堂はすっかりきれいになっていることでしょう。今後のご動座の参考になりました。

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